巨大戦艦ビスマルク―独・英艦隊、最後の大海戦 (ハヤカワ文庫NF)



巨大戦艦ビスマルク―独・英艦隊、最後の大海戦 (ハヤカワ文庫NF)
巨大戦艦ビスマルク―独・英艦隊、最後の大海戦 (ハヤカワ文庫NF)

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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巨大戦艦の悲哀を描ききった名作

著者が大戦勃発まで在英駐在武官だったこと、また就役前から初期テスト終了までリンデマン艦長の個人的な副官を務めたこと、そして主砲射撃管制に精通していたことにより、戦艦ビスマルクが建造された外交的背景から戦艦の内部構造、さらに2度の水上戦闘に至るまで、読者に判りやすく説明することに成功している。
沈没した艦に乗り合わせた人物が当時のできごとを記す場合、思い入れのあまりつい感傷的な調子になりがちだが、本書においては心配無用。戦後外交官に転進してから得た膨大な資料と自らの記憶を突き合わせ、戦闘場面を見事なまでに冷徹に描ききっている。最先任者としての責任感もあるのだろうが、駐在武官時代から積み上げた識見や人脈によるものが大きいと思われる。
もちろん海の男たちの物語ゆえ、人情味あふれる挿話もそこかしこにちりばめられており、なかには抱腹絶倒すること請け合いのものもある。それらの端々に、著者の艦長に対する敬愛がにじみ出ており、いつしか読者はビスマルクの乗組員になったような気分を味わえる。
総じて、第二次大戦の軍艦記として屈指の出来栄えと言ってよく、軍艦好きならば徹夜で読んでも眠くならないほどの魅力を秘めた名作である。



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